「作業」でなく「仕事」を…
「名は体を表す」と言いますが、一つひとつの言葉に「こうありたい」という思いを込めていく中で、コープみやざきの店舗では「売り場」ではなく「買い場」。共同購入では、「荷下ろし場」ではなく「受取場」。他にも「商品の品揃え・使い方交流部」「くらしの保障部」「バックアップ本部」など、一般的には馴染みのない言葉が数多く存在しています。例えば、「買い場」という言葉には、「企画をする人、製造をする人、買い場をつくる人、対応をする人が徹底して買う人の気持ちになってみて、買い場をつくる職員集団でありたい」。そんな思いが込められています。
同じ理由で、コープみやざきでは、「作業」という言葉を避けて「仕事」という言葉を使っていますが、改めて二つの言葉を調べてみると、【「作業」は、明確な目標や意図がなく「何かをすること」。与えられた受動的なもの。「仕事」は、より広範な目的や目標を持ち、それを達成するために必要なタスクや活動の総称。後工程の人に配慮したもの=最高のバトンタッチを行うこと。誰かに価値を届けるための活動。能動的なもの】と記されています。
ここで、「仕事とは?」を分かりやすく表現した、イソップ寓話の「3人のレンガ職人」という話を紹介させていただきます。
【旅人が一本道を歩いていると、一人の男が道の脇で険しい顔をしてレンガを積んでいました。旅人が「何をしているのですか?」と尋ねると、「見れば分かるだろう。レンガ積みに決まっているだろ。俺はここでレンガを積まなきゃいけないのさ。あんたたちには分からないだろうけど、暑い日も寒い日も、風の強い日も一日レンガ積みさ。腰は痛くなるし、手はこの通り。なんでこんなことばかりしなければならないのか、全くついていない」。旅人は、その男に慰めの言葉を残して、歩き続けました。
もう少し歩くと、一生懸命レンガを積んでいる別の男に出会いました。しかし先ほどの男のように、辛そうには見えません。旅人は尋ねました。「何をしているのですか?」「ここで大きな壁を造っているんだよ。これが俺の仕事でね。この仕事のおかげで俺は家族を養っていけるんだ。こうやって仕事があるから、家族全員が食べていくことに困らない。大変だなんて言っていたら、バチがあたるよ」。旅人は、男に励ましの言葉を残して、歩き続けました。
少し歩くと、また別の男が生き生きと楽しそうにレンガを積んでいるのに出くわしました。「何をしているのですか?」。旅人が興味深く尋ねると、「ああ、俺たちのことかい?俺たちは、歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ!」「大変ですね」。旅人は労りの言葉をかけた。「とんでもない。ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うんだぜ!素晴らしいだろう!」。旅人はその男にお礼の言葉を残して、また元気いっぱいに歩き続けました】
コープみやざきの基本スローガン(スローガン=理念や目的)である「“私たちの供給する商品を中心に家族の団らんがはずむこと”をめざします」につなげていくには、「作業」ではなく「仕事」の積み重ねが不可欠です。
毎日の仕事というのは平坦でなく、地道な苦労(努力)を伴うものですが、先の寓話の3人目の男のように高い目的意識を持ち、人に喜びと感動を与えながら、楽しく「仕事」を進めていきたいと思います。きっと自分の成長にもつながります。
(2024年9月 泰山 誠)
最近の投稿
-
2024/09/30専務「作業」でなく「仕事」を…
-
2024/08/20専務「何のために」「誰のために」を大事に
-
2024/07/20専務心豊かな人生を歩んでいける生協でありたい
-
2024/06/20専務組合員さんと職員の「笑顔」につながる夕食宅配事業に
-
2024/04/29専務“作業”ではなく“仕事”!2,100人の「改善無限・知恵無限」を周知!
-
2024/03/18専務自分の履歴書を書き換えられる一年にしていきたい
-
2024/02/15専務「人の命の尊さ」「人の命は決して一人だけのものではないこと」を見つめ直す
-
2024/01/18専務着任
-
2023/12/18専務「来年の基本方針 補強したことと強めたいこと」
-
2023/11/15専務商品センターを清武に移転し本格稼働開始。一つの頭で物流を考え、効率化や新しい取り組みなど検討を始めていきます