【マルチスキル化】がお互いを思いやり、助け合う好循環にもつながっています
今年の年始の店舗職員総会で、【マルチスキル化】「一人ひとりの部門職員が複数(全て)のシフトができるようになること」の研究について提起しました。【マルチスキル化】については、昨年行われた生協実践研究会の事例発表会で、ユーコープさんの報告を聴いて、これはやってみる価値があるな?と思ったことがきっかけです。
当時、私もコープみやざきの店舗現場でどの程度一人ひとりのスキルがあるか把握していませんでしたので、同行した泰山誠店舗本部長を通じて、実態の調査から始めました。結果的に、思っていたより一つひとつの仕事が属人化していることがわかりました。属人化とは、特定の仕事が限られた人しか把握されておらず共有されていない状態です。例えば、「発注はこの人しかできない」とか「刺身はこの人しかできない」などです。同時に、採用が思うように進まず迷惑をおかけしているなかで、人員不足もあって、休みたくてもサポーターに支援をもらわないと休めない。という状態もありましたので、【マルチスキル化】が進めばそれも少しは改善できるのではないか?もっと進めば少数精鋭で部門運営ができる可能性もある。という期待がありました。
一方で、「今まで以上に新たな仕事を覚えさせるのか」とか「労働強化」だという声もあるだろうと思っていました。なくはありませんでしたが、本部長はじめ店長、サポーターも方針に沿ってぶれずに丁寧に実践してくれたこともあり大きな成果が生まれています。
具体的には、「部門や部署を越えて誰もがレジの対応ができるように研修した事例」「他店の取り組みを動画で見て誰もが発注できる状態になった農産部門の事例」「惣菜のオーナーオーダー受付が誰にでもできて、受付した人で完結できるようになった事例」「フロア部門では定期的に担当する分類を変更し、突発な休みが入ってもいつでも誰でもできる状態にできた事例」「刺身製造や魚惣菜を皆ができるようになった事例」等々、相当なスピードで劇的に改善が進んでいます。このことにより、「体調不良や休みの申請がしやすくなった」「他の人がやっていた仕事が理解でき、自ら状況を観て支援ができるようになった」というお互いを思いやり、助け合う好循環にもつながりました。
基本方針の【職員観】にある【職員はだれもが、「人の役に立ちたい」「人から認められたい」「自分を成長させたい」という思いを持っています。~中略~人はだれでも、わかれば納得でき意欲がでます。わかれば知恵がでます。わかればやれます】とあります。このことを皆さんが理解し実践してくれた成果だと思います。今後更に発展していくという手ごたえを感じています。
先日U18(18歳以下)の野球世界大会がありました。代表監督の馬淵監督(明徳義塾)を中心とした選考委員会では、一芸に秀でた全国でも有名な投手や野手(一年生の時からクリーンナップで甲子園出場した有名な3人の長距離打者や高校最速投手)は選ばれませんでした。逆に、ピッチャーと野手、内野と外野を守れるなど複数のポジションが守れる選手、いわゆるマルチスキルの高い選手を中心に選ばれました。推測ですが、これまで多くの長距離打者が木製バットへの対応に苦しんできた反省から、短期間で対応させるより、基本に忠実な日本野球の長所を生かすことを優先させたのだと思います。
結果は、これまで早稲田実業の斎藤、清宮選手、駒大苫小牧の田中選手、花巻東の大谷選手、大阪桐蔭の藤浪、森、根尾、藤原選手等々を擁しても果たせなかった優勝を手にしました。試合を観ていて、「今取り組んでいるマルチスキル化がここにもあったのか・・・」と晩酌しながら感動していました。
コープみやざきの【マルチスキル化】が、どこまで進化するのか楽しみです。
(2023年10月 日髙 宏)
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