人間は一人では生きていけない 色んな人の支えがあって今の自分がある
私事ですが、3月中旬に自分の不注意により右足首を骨折しました。年度末、年度初めで節目の大事な時期に出勤できず皆さんにはご迷惑をおかけし申し訳ありません。足首にセラミックを入れて骨を固定する手術で入院しましたが、手術当日は、痛み止めは処方されたものの、経験したことのない激痛でした。50~60代のプロレスファンの方は分かると思いますが、現役時代のアントニオ猪木さんに足四の字をかけられてギブアップできない状態が朝まで続く感じでした。しばらく入院し、その後はテレワークをしながらリハビリを続けていますが、大きなけがをしたことで、考えることも多く、今まで感じなかったことを知り得る貴重な機会になりました。
具体的には、数年前の方針論議の中で、それまでの【相手の立場に立つ】では、まだ相手になりきっていない。【相手の気持ちになる】にすれば、「もう一歩踏み込んで考えられるのでないか?」と提案して方針書も【相手の気持ちになる】に変更されました。また相手に寄り添うという表現を組織内では使っています。それぞれ、頭では理解していましたが、今回の入院で、言葉の意味や本質が肚に落ちたことです。
入院して手術、退院するまでに、病院では、整形外科医、麻酔科医、レントゲン技師、理学療法士、看護師、臨床検査技師、薬剤師、配膳、清掃の職員さん、事務員さん他数十人の方々にお世話になりました。また、多くの職員や、友人、お取引先の方から慰労や励ましの言葉ももらいました。これまで五体満足で日常生活を送ってきたことがどれだけありがたかったことか。物ひとつとれない、動かせない。入浴やトイレに行くのも、料理することも、大好きな庭いじりさえできない。
人間は弱者(体が思うように動かせない)になった時に初めて本当の人の思いやりや、やさしさに気づくことができるということが身をもってわかりました。入院時は申し訳ない気持ちもあって、いつもの数倍ナーバスになっているので、言葉の一つひとつ、所作の一つひとつが心に刺さり、寄り添うことの本質に気づきました。相手の立場に立つだけではなく、もう一歩踏み込んで相手の気持ちになりきらないと寄り添うことはできないことも理解できました。
人間は一人では生きていけないし、色んな人の支えがあって今の自分がある。『一人で頑張らなくてもいいんだ。助けてくれる人がいるんだ』ということが体感できたことは今後生きていく上で大きいものでした。すべての人、コトに感謝の気持ちが心の底から湧き上がる感覚は今までで初めてかもしれません。今回の経験で、心臓は自分の意思で動いているのではない。つまり、人は生きているのではなく生かされ、一人ひとりに与えられた役割がある。なぜかというと、役割がまだ終わってないから。役割を終えたとき、人は静かに去っていくのだ。自分が生かされているのであればこれから何ができるのか。自分の役割を全うするために与えてくれた体験だったと肝に銘じ努力していきたい。そう思いました。いい経験をさせてもらった。そう思える骨折にしないと、支えてくれた人に申し訳ない。そんなことを考えた入院、リハビリ生活でした。
(2023年4月 日髙 宏)
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