目の前の一人ひとりの組合員さんの家族の団らんがはずむことをめざして
世の中の変化のスピードも速いですが、流通業の変化も同様です。宮崎でも地元の小売業の閉店、大手ホールディングスや大手量販店のM&A(合併と買収)。一方で大手ドラッグストアや、ディスカウント店の出店が相次いでいます。10月には大塚店の近隣と、日南店の目の前に同じディスカウントストアが出店予定です。
滋賀県に150年続く招福楼という日本料理の名店があります。そこのご主人の中村秀太良さんの話を紹介します。「学校を出た後、ある社長の紹介で三菱自動車のプロパンガス製造の立ち上げに携わり家業とは違う道を歩みました。しかし、旅館業に悪戦苦闘する両親の姿を見るに見かねて、会社を辞め家業につく肚を固めました。会社からはずいぶん慰留されましたが、最後にはご理解をいただきました。
その時の上司の餞(はなむけ)の言葉は『店を繁盛させ、何百万儲けても、それで成功したと思うな。どんな大資本が隣で同じ商売を始めようとも、びくともしない店に育て上げてこそ、初めて成功したと言えるのだ』というものでした。この言葉に心を奮い立たせ、家業に邁進してきました」。滋賀の知人に聞いたところ、今でも地元で有名な店だそうです。
この記事を見て、「我々も周りに『どこそこに量販店ができた』『ドラッグストアができた』『ディスカウントストアが出店するそうだ』などとあたふたせずに、どんな大資本の量販店やディスカウントストア、ドラッグストアが出店してもびくともしない店を作り上げないと成功したとは言えないな・・・」と思いました。
先日開かれた亀田塾で、5期生である商品本部の永野彬夫さんが、柳丸店の目の前に大型店が出店してきたときのことを当時の山下英則店長(元店舗事業本部長)に聞き取りしてくれました。
山下さん曰く「店長として何とか柳丸店の魅力を上げる取り組みをしないといけない。相手は価格を前面に打ち出してくることが想定される。価格だけで対抗するのは難しいので生協らしさで進めていこうと決め、たまたま県外の店舗で見たPOPが印象に残っていたので、これを強めようと思った。五感の中でも視覚からの情報は最も重要で、共感と感動していただける自己開示含めたPOP作りを強めることにした。
職員の歌野久美子さんの『いわし雲すすきゆられて おはぎかな』、足立久美子さんの『ハフハフと 鍋を囲んで みな笑顔』という俳句が特に印象に残っている。POPから伝わる落ち着く空間が店舗の中にあふれ、少しでも長く心地いい空間(=店舗)にいてもらいたいと思った」。
結果は、目の前に大型店が出店しても大きな影響はなく、他生協からも多くの方が視察に来られるほどでした。また、昨年は北小路店の近くに同じディスカウントストアが出店しましたが、この時も一時的な影響はあったものの、すぐに回復しました。日南店には【団らんにゅーす】の泰山誠本部長の雑感にも紹介されましたが、便箋4枚に感謝と応援の声をいただいています。抜粋して紹介します。
全部門の商品の品揃えや鮮度を褒めていただいた上で、「近日中に目の前にディスカウントストアがオープンすることでしょう。いつもいつでもスタッフの皆さんの挨拶、感動しております。(中略)本当に店長様はじめスタッフ一人ひとり皆様のご活躍を心より応援させていただきます。スタッフの皆様のいいところを見つけては私自身も学ばせていただきます」
目の前の店舗がオープンすれば、人の流れも変わり、これまで来ていただけなかった方の来店が増えるチャンスでもあります。これまで積み上げてきた組合員さんとの信頼関係を大事に、目の前の一人ひとりの組合員さんの家族の団らんがはずむことをめざして邁進していきます。
(2023年9月 日髙 宏)
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